自宅にて誠鏡純米たけはらを飲む
4月22日日曜日の話
最近のスーパーの酒販コーナーは日本酒の品揃えがいいですよね。
酒に日光は当たらないし、温度管理もされている。
並みの酒屋などよりも種類が豊富で見ていても楽しい。
時期的に花見、歓迎会など飲むイベントが重なる時期だけに店側も力を入れているのかもしれない。
本日は竹原市の老舗、中尾醸造の誠鏡純米たけはら(4合瓶)を買いました。

酒の肴にと真鰯の刺身も購入。 この辺では超珍しい品です。
広島でイワシと言えば小鰯ですが、私は真鰯の刺身のほうが好きです。

ただ煮つけ用のものならともかく、刺身が出回ることはまずありません。
思わず飛びついてしまった所以であります。
保冷配送等の技術の発達したおかげなのでしょう。
こちらは妻お手製のホウレン草のお浸し。

椎茸と擦りごまをたっぷり入れるのが特徴で酒にもよく合います。
まず冷酒で一杯飲んだあと熱燗でやるいつものパターン。
香り控えめで米の旨みが感じられる純米酒らしい味。
いかにも田舎の真面目なお酒という感じです。
熱燗にすると力強さが加わるような感じがする。
旨みと甘みのバランスが良く、食中酒として最適だと思いました。
最近のスーパーの酒販コーナーは日本酒の品揃えがいいですよね。
酒に日光は当たらないし、温度管理もされている。
並みの酒屋などよりも種類が豊富で見ていても楽しい。
時期的に花見、歓迎会など飲むイベントが重なる時期だけに店側も力を入れているのかもしれない。
本日は竹原市の老舗、中尾醸造の誠鏡純米たけはら(4合瓶)を買いました。

酒の肴にと真鰯の刺身も購入。 この辺では超珍しい品です。
広島でイワシと言えば小鰯ですが、私は真鰯の刺身のほうが好きです。

ただ煮つけ用のものならともかく、刺身が出回ることはまずありません。
思わず飛びついてしまった所以であります。
保冷配送等の技術の発達したおかげなのでしょう。
こちらは妻お手製のホウレン草のお浸し。

椎茸と擦りごまをたっぷり入れるのが特徴で酒にもよく合います。
まず冷酒で一杯飲んだあと熱燗でやるいつものパターン。
香り控えめで米の旨みが感じられる純米酒らしい味。
いかにも田舎の真面目なお酒という感じです。
熱燗にすると力強さが加わるような感じがする。
旨みと甘みのバランスが良く、食中酒として最適だと思いました。



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花見にて白鶴特別純米を・・・・飲めず
4月15日日曜日の話
妻方の親戚と毎年呉市郊外の熊野町で花見をします。
ナデシコジャパンで一躍有名になった化粧筆で有名なところです。
山間部なので丁度桜が満開でした。

酒好きの連中の為に、イオンのショッピングモールで購入した日本酒を持っていきました。
白鶴の特別純米酒で、その名もズバリ山田錦。 4合瓶でなんと驚きの880円。
業界最大手のメーカーとはいえ山田錦100%の酒がこの値段で飲めるとは。

まあ酒が安いのはいいことですが(笑)。
弁当や総菜などを広げて楽しいひと時を過ごす。

一通りビールを飲んで少し中座した。 戻ってみると、な、な、なんと!
白鶴が既に空になっている。 「いやぁ おいしかったよ。」 と皆様方。
おいおい一口ぐらい残しとけよ。 いったいどんな味だったの?(笑)
妻方の親戚と毎年呉市郊外の熊野町で花見をします。
ナデシコジャパンで一躍有名になった化粧筆で有名なところです。
山間部なので丁度桜が満開でした。

酒好きの連中の為に、イオンのショッピングモールで購入した日本酒を持っていきました。
白鶴の特別純米酒で、その名もズバリ山田錦。 4合瓶でなんと驚きの880円。
業界最大手のメーカーとはいえ山田錦100%の酒がこの値段で飲めるとは。

まあ酒が安いのはいいことですが(笑)。
弁当や総菜などを広げて楽しいひと時を過ごす。

一通りビールを飲んで少し中座した。 戻ってみると、な、な、なんと!
白鶴が既に空になっている。 「いやぁ おいしかったよ。」 と皆様方。
おいおい一口ぐらい残しとけよ。 いったいどんな味だったの?(笑)



里の家にて桜吹雪うすにごり特別純米を飲む
4月11日水曜日の話
先週に引き続いて里の家さんに伺いました。
前回飲んだ神招の味が忘れられず、どうしてももう一度飲んでみたかった。
熱燗は絶品だったが、冷酒だとどうか、この舌と喉で確かめたい。
ビールを2杯飲んだ後、本命の神招の冷酒。

味の違いに驚いた。 冷酒で飲むと完全なる辛口だ。淡麗というよりもどっしりした辛口。熱燗のときに感じた例えようもない旨みは控えた感じになる。
味は違うが、この感じは酔鯨を飲んだ時に感じたものと似ている。これはこれでおいしいが、私は熱燗のほうがおいしく感じた。
大将自慢の肉豆腐を摘みながら、酒談義に花が咲く。

大将がぜひ飲んでほしいと持ち出してきたのが、仕入れたばかりだという桜吹雪のうすにごり特別純米の生酒。

蓋を開けるとき、シュポン と元気のいい音がした。 酵母がまだ生きているんだなぁ と感慨にふけりながら冷酒のままやる。
にごり独特の甘ったるさはなく軽快な味。たまにはこんな酒もおもしろいね。

桜吹雪は東広島市黒瀬町に唯一現存する酒造メーカー。
大正時代には黒瀬町だけで造り酒屋は16軒あったそうだ。
最後の一軒は永遠に残ってほしいものです。
現在は息子さんが跡を継いで賀茂金秀という名前のお酒も出していますが、
今はこちらのほうが有名かもしれませんね。

お店の目の前を流れている川の対岸の桜。 散り始めましたね。
文字通り桜吹雪だ。
先週に引き続いて里の家さんに伺いました。
前回飲んだ神招の味が忘れられず、どうしてももう一度飲んでみたかった。
熱燗は絶品だったが、冷酒だとどうか、この舌と喉で確かめたい。
ビールを2杯飲んだ後、本命の神招の冷酒。

味の違いに驚いた。 冷酒で飲むと完全なる辛口だ。淡麗というよりもどっしりした辛口。熱燗のときに感じた例えようもない旨みは控えた感じになる。
味は違うが、この感じは酔鯨を飲んだ時に感じたものと似ている。これはこれでおいしいが、私は熱燗のほうがおいしく感じた。
大将自慢の肉豆腐を摘みながら、酒談義に花が咲く。

大将がぜひ飲んでほしいと持ち出してきたのが、仕入れたばかりだという桜吹雪のうすにごり特別純米の生酒。

蓋を開けるとき、シュポン と元気のいい音がした。 酵母がまだ生きているんだなぁ と感慨にふけりながら冷酒のままやる。
にごり独特の甘ったるさはなく軽快な味。たまにはこんな酒もおもしろいね。

桜吹雪は東広島市黒瀬町に唯一現存する酒造メーカー。
大正時代には黒瀬町だけで造り酒屋は16軒あったそうだ。
最後の一軒は永遠に残ってほしいものです。
現在は息子さんが跡を継いで賀茂金秀という名前のお酒も出していますが、
今はこちらのほうが有名かもしれませんね。

お店の目の前を流れている川の対岸の桜。 散り始めましたね。
文字通り桜吹雪だ。



自宅にて時尾純米大吟醸生原酒を飲む
4月7日土曜日の話
最近よく一緒に飲む大阪のK君からいただきました。
純米大吟醸生原酒時尾! 修飾語がいっぱいくっ付いた凄い酒だ(笑)

宮城県宮城郡松島町の(有)伊藤時尾商店謹製。
山田錦で精米歩合40%、(資)森民総本家・南部杜氏阿部作二の力作。限定25本の逸品 と説明書に書いてある。
詳しいことは解らないが、きっとおいしい酒なんだろう(笑)

K君に何故こんな高級なお酒をプレゼントしてくれたのか尋ねると、この熱燗放浪記でも書いた新橋の南洲事件(大げさですが)、私が日本酒を千合飲むと啖呵を切った、まさにその席に彼もいたのであります。
彼は(千合なんて大変だ。僕も協力しよう。)と わざわざ大阪の酒屋で店主にお勧めの酒を聞いて買ってきてくれたのでありました。
私は彼の心遣いに感謝すると同時に、みんな千合の件は覚えているのだな と改めて自らの発言の重みを噛み締め、暗澹たる気持ちになったのでありました。
ちなみに今現在でどれくらい飲んだのだろうと気になったので、記憶と記録をたよりに数えてみた。
熱燗放浪記に記載し始めた2月8日以降の酒に限定してみると、26銘柄で、おおよそ53合だった。平均すると1銘柄2合くらいということになる。
当初は300銘柄くらい飲めば千合になるかと大雑把に考えていたのですが、実際は500銘柄くらい飲まなければ千合に届かない計算になる。
もっともこれからは銘柄が重複してくることが多くなるだろうから300~400銘柄くらいになるかもしれない。
約2ヵ月で50合ちょっとということは1年では300合どまりということになる。
3年かかるか(笑)
ちなみに私は大のシングルモルトマニアでもあり、日本酒と同程度のウイスキーを並行して飲んでいる。
ビールは更にその数倍飲んでいるので、これらに注ぐ労力と時間を日本酒に注げば、一年くらいで達成できるかもしれないが、そういう特殊な飲み方は健全ではないと思いますので、あくまでも日常の生活の中で、日本酒をお燗にしてチビチビと嗜みながら目標を達成したいと思っています。
さて能書きが長くなりましたが時尾純米大吟醸生原酒、まず冷酒で。
ほのかな麹の香り、純米大吟醸ならではの豊かな米の旨みに生酒のキレの良さが加わって実に品格のあるお酒です。
ひ弱な貴族の公達ではなく、毅然とした青年将校のような雰囲気とでもいいましょうか。
いわゆる品評会向けの香り重視の酒ではなく、味での勝負に徹した酒です。後味もすっきりしている。

ぬるめの燗にすると、まろやかになって別のうまさが引き立つ酒になる。
冷酒のときのキレの良さはなくなるが、いい酒は熱燗にしてもおいしい。
純米大吟醸を自分で買うことはありませんが、こうしてみるとやはりおいしいね。
肴はスーパーで妻が買ってきた惣菜など。 筍煮や天然ブリの刺身などで全て400円以下。


酒はもらい物だし、安く飲ませていただきました。
最近よく一緒に飲む大阪のK君からいただきました。
純米大吟醸生原酒時尾! 修飾語がいっぱいくっ付いた凄い酒だ(笑)

宮城県宮城郡松島町の(有)伊藤時尾商店謹製。
山田錦で精米歩合40%、(資)森民総本家・南部杜氏阿部作二の力作。限定25本の逸品 と説明書に書いてある。
詳しいことは解らないが、きっとおいしい酒なんだろう(笑)

K君に何故こんな高級なお酒をプレゼントしてくれたのか尋ねると、この熱燗放浪記でも書いた新橋の南洲事件(大げさですが)、私が日本酒を千合飲むと啖呵を切った、まさにその席に彼もいたのであります。
彼は(千合なんて大変だ。僕も協力しよう。)と わざわざ大阪の酒屋で店主にお勧めの酒を聞いて買ってきてくれたのでありました。
私は彼の心遣いに感謝すると同時に、みんな千合の件は覚えているのだな と改めて自らの発言の重みを噛み締め、暗澹たる気持ちになったのでありました。
ちなみに今現在でどれくらい飲んだのだろうと気になったので、記憶と記録をたよりに数えてみた。
熱燗放浪記に記載し始めた2月8日以降の酒に限定してみると、26銘柄で、おおよそ53合だった。平均すると1銘柄2合くらいということになる。
当初は300銘柄くらい飲めば千合になるかと大雑把に考えていたのですが、実際は500銘柄くらい飲まなければ千合に届かない計算になる。
もっともこれからは銘柄が重複してくることが多くなるだろうから300~400銘柄くらいになるかもしれない。
約2ヵ月で50合ちょっとということは1年では300合どまりということになる。
3年かかるか(笑)
ちなみに私は大のシングルモルトマニアでもあり、日本酒と同程度のウイスキーを並行して飲んでいる。
ビールは更にその数倍飲んでいるので、これらに注ぐ労力と時間を日本酒に注げば、一年くらいで達成できるかもしれないが、そういう特殊な飲み方は健全ではないと思いますので、あくまでも日常の生活の中で、日本酒をお燗にしてチビチビと嗜みながら目標を達成したいと思っています。
さて能書きが長くなりましたが時尾純米大吟醸生原酒、まず冷酒で。
ほのかな麹の香り、純米大吟醸ならではの豊かな米の旨みに生酒のキレの良さが加わって実に品格のあるお酒です。
ひ弱な貴族の公達ではなく、毅然とした青年将校のような雰囲気とでもいいましょうか。
いわゆる品評会向けの香り重視の酒ではなく、味での勝負に徹した酒です。後味もすっきりしている。

ぬるめの燗にすると、まろやかになって別のうまさが引き立つ酒になる。
冷酒のときのキレの良さはなくなるが、いい酒は熱燗にしてもおいしい。
純米大吟醸を自分で買うことはありませんが、こうしてみるとやはりおいしいね。
肴はスーパーで妻が買ってきた惣菜など。 筍煮や天然ブリの刺身などで全て400円以下。


酒はもらい物だし、安く飲ませていただきました。



日本酒の文化
日本酒の文化
私が大学生だった1985年前後のこと。仲間うちでは日本酒のことを「ポンシュ」「ぽん酒」などと呼んでいた。
みんながそう呼んでいたから私も自然とそれに倣ったわけであるが、今思い出しても日本酒に対する敬意というものはあまり感じられない。
どちらかと言えば ビールより一階級下の酒という扱いをしていたような気がする。
もちろん当時もいい酒はあったはずだが、我々が口にすることはなかった。
世は大学生、社会人ともに一気飲み全盛の頃で、居酒屋に行けば、たいてい右や左から「イッキ、イッキ」という掛け声が聞こえてきたものだった。
よくテレビなどで当時の映像を見ると、ビールの一気飲みのシーンが映し出されるが、私の体験ではビールの一気飲みは仲間うちではポピュラーなものではなかった。
もしくはあまり酒を飲まない、あるいは強くないグループのするものだった。
私は体育会系だったこともあってか、先輩も同輩もバケモノのように酒の強い連中ばかりで少々の酒で酔うような輩はおらず、ビールで一気しようものなら「もったいないから止めろ。」と怒られたものだ。
生ビールがジョッキ一杯500円だったか600円だったか、当時も今も値段はあまり変わらないが、飲めば飲むほど料金が加算される。
当たり前の話だが、金のない大学生にはこれが痛い。
その点 当時は宴会などでは「日本酒飲み放題」の店が多く、文字通りいくら飲んでも料金が同じなので、ひたすらこれを飲まされた。
一気飲みも当然日本酒ばかりで、実弾(お銚子をこう呼んでいた)が20本単位でお盆に乗せられて次から次へと座敷に運ばれてきたものだ。
上級生も下級生と仲良く酒を酌み交わそうと思ってやっているわけではなく、酒とは正に下級生をかわいがる(もしくは料理する)ためのアイテムみたいなものだった。
当時のことであるから、宴会用の飲み放題の酒なんて大手酒造メーカーが業務用に居酒屋に卸していた醸造アルコールたっぷりの安酒だからうまいはずもない。
苦痛以外の何者でもなく、ある意味昼の練習以上に大変だった。
この当時酒の強い男は文字通り勇者であり、間違いなく周りから一目置かれた。
しかし悪しき風習ではあったが、今にして思えば、ある意味日本酒の消費の一翼を担っていたイベントの一つであったことも事実だろう。
私自身何度も酔い潰されたが、これらを経験して酒が強くなっていった側面も否定できない。
いやいや飲んでいる人間が日本酒の消費を支えていたなんて、他の国の酒ではあまり考えられない文化ではないだろうか。
今は純米酒を中心に おいしい酒が かつてないくらい簡単に手に入るようになったし、それなりに売れているという。
減っているのは普通酒。というより上記のような普通以下の酒。
若者が日本酒を飲まなくなったのには色々な理由があるのだろうが、上記のような風習が少なくなったことも大きいのではないだろうか。
苦痛以外の何物でもなかったが、子供が大人になる過程で乗り越えなければならない壁みたいな意味あいもあって、今思えば懐かしい気もする。
一方大人になりたての頃、先輩たちが、うまい料理とうまい日本酒を味あわせてくれていたなら「日本酒ってこんなにおいしいものなんだ。」と三つ子の魂百までではないが、日本酒の虜になっていった若者も大勢いたのではないだろうか。
二十歳で短大を卒業したばかりのOLが職場の上司に連れられて、女の子だけでは入れないような含蓄ある居酒屋に若い頃から行く機会に恵まれて、名酒に接する機会が多かった子達ほど、その後も素直に日本酒を愛している子が多い気がする。
笑顔で「おいしい。」と日本酒を飲んでいるのは大抵女の子だった。
私など就職した後、毎日のように飲み歩き、浴びるようにビールを飲み続けてきたが、日本酒を好んで飲むようになったのは四十も半ばを過ぎてからである。
実に社会人になってから20年以上の歳月がかかった。
しかし私などは遅ればせながら日本酒の旨さに気が付いたから良かったものの、一生気が付かないまま人生を終える人もいるのではないだろうか。
日本酒はやはり安くて旨い純米酒をどれだけ自然な形で若者に飲んでもらうかだと思う。 若いうちにどれだけそういう機会に巡り合えるかだと思う。
純米の熱燗が どれだけ鍋や刺身を美味しくするのか、飲まなければ誰も気が付かない。
酒造メーカーがおいしい酒を造り続けてくれることが大前提であるが、我々消費者も若い世代にもっと日本酒のおいしさを伝えていかなくてはならない。
日本酒は心も体も温かくしてくれる稀有な酒なのだから。

私が大学生だった1985年前後のこと。仲間うちでは日本酒のことを「ポンシュ」「ぽん酒」などと呼んでいた。
みんながそう呼んでいたから私も自然とそれに倣ったわけであるが、今思い出しても日本酒に対する敬意というものはあまり感じられない。
どちらかと言えば ビールより一階級下の酒という扱いをしていたような気がする。
もちろん当時もいい酒はあったはずだが、我々が口にすることはなかった。
世は大学生、社会人ともに一気飲み全盛の頃で、居酒屋に行けば、たいてい右や左から「イッキ、イッキ」という掛け声が聞こえてきたものだった。
よくテレビなどで当時の映像を見ると、ビールの一気飲みのシーンが映し出されるが、私の体験ではビールの一気飲みは仲間うちではポピュラーなものではなかった。
もしくはあまり酒を飲まない、あるいは強くないグループのするものだった。
私は体育会系だったこともあってか、先輩も同輩もバケモノのように酒の強い連中ばかりで少々の酒で酔うような輩はおらず、ビールで一気しようものなら「もったいないから止めろ。」と怒られたものだ。
生ビールがジョッキ一杯500円だったか600円だったか、当時も今も値段はあまり変わらないが、飲めば飲むほど料金が加算される。
当たり前の話だが、金のない大学生にはこれが痛い。
その点 当時は宴会などでは「日本酒飲み放題」の店が多く、文字通りいくら飲んでも料金が同じなので、ひたすらこれを飲まされた。
一気飲みも当然日本酒ばかりで、実弾(お銚子をこう呼んでいた)が20本単位でお盆に乗せられて次から次へと座敷に運ばれてきたものだ。
上級生も下級生と仲良く酒を酌み交わそうと思ってやっているわけではなく、酒とは正に下級生をかわいがる(もしくは料理する)ためのアイテムみたいなものだった。
当時のことであるから、宴会用の飲み放題の酒なんて大手酒造メーカーが業務用に居酒屋に卸していた醸造アルコールたっぷりの安酒だからうまいはずもない。
苦痛以外の何者でもなく、ある意味昼の練習以上に大変だった。
この当時酒の強い男は文字通り勇者であり、間違いなく周りから一目置かれた。
しかし悪しき風習ではあったが、今にして思えば、ある意味日本酒の消費の一翼を担っていたイベントの一つであったことも事実だろう。
私自身何度も酔い潰されたが、これらを経験して酒が強くなっていった側面も否定できない。
いやいや飲んでいる人間が日本酒の消費を支えていたなんて、他の国の酒ではあまり考えられない文化ではないだろうか。
今は純米酒を中心に おいしい酒が かつてないくらい簡単に手に入るようになったし、それなりに売れているという。
減っているのは普通酒。というより上記のような普通以下の酒。
若者が日本酒を飲まなくなったのには色々な理由があるのだろうが、上記のような風習が少なくなったことも大きいのではないだろうか。
苦痛以外の何物でもなかったが、子供が大人になる過程で乗り越えなければならない壁みたいな意味あいもあって、今思えば懐かしい気もする。
一方大人になりたての頃、先輩たちが、うまい料理とうまい日本酒を味あわせてくれていたなら「日本酒ってこんなにおいしいものなんだ。」と三つ子の魂百までではないが、日本酒の虜になっていった若者も大勢いたのではないだろうか。
二十歳で短大を卒業したばかりのOLが職場の上司に連れられて、女の子だけでは入れないような含蓄ある居酒屋に若い頃から行く機会に恵まれて、名酒に接する機会が多かった子達ほど、その後も素直に日本酒を愛している子が多い気がする。
笑顔で「おいしい。」と日本酒を飲んでいるのは大抵女の子だった。
私など就職した後、毎日のように飲み歩き、浴びるようにビールを飲み続けてきたが、日本酒を好んで飲むようになったのは四十も半ばを過ぎてからである。
実に社会人になってから20年以上の歳月がかかった。
しかし私などは遅ればせながら日本酒の旨さに気が付いたから良かったものの、一生気が付かないまま人生を終える人もいるのではないだろうか。
日本酒はやはり安くて旨い純米酒をどれだけ自然な形で若者に飲んでもらうかだと思う。 若いうちにどれだけそういう機会に巡り合えるかだと思う。
純米の熱燗が どれだけ鍋や刺身を美味しくするのか、飲まなければ誰も気が付かない。
酒造メーカーがおいしい酒を造り続けてくれることが大前提であるが、我々消費者も若い世代にもっと日本酒のおいしさを伝えていかなくてはならない。
日本酒は心も体も温かくしてくれる稀有な酒なのだから。




里の家にて神招純米を飲む
4月4日水曜日の話
呉市中通にある居酒屋「里の家」に久々に訪問。
大将が広島県内のおいしい地酒のコレクターのような人で、日頃目にすることもない小さな蔵の活きのいい酒を楽しませてもらえる。

ビールを2杯飲んだ後で大将一押しの「旭鳳 純米(広島市安佐北区可部 旭鳳酒造)」を冷酒で飲む。 優しい味。 吟醸に近い風味がある。 有名な杜氏が造っているらしく、大将がその方のことを熱っぽく語ってくれたのですが、申し訳ないが名前は失念しました。

次に熱燗が飲みたい旨を申し出ると、「熱燗に向いているのはたくさんありますが、・・・」と言いながら取り出してきたのが、「神招 純米(広島県神石高原町 田中酒造)」。 初めて目にする銘柄だ。
これを熱々の燗で出してきた。 一口飲んだら、これが熱いの何の。 久々にこんな熱い熱燗を飲んだ。 日頃自宅で酒かん計を使って、細かく温度を確認しながら飲んでいるので、今では口に含んだ瞬間に大体の温度が解る。 間違いなく70度以上だ。

驚いたのはこれだけ高温なのに酒がしっかり旨いことだ。 こんな酒はあまり飲んだ記憶がない。
純米酒は40度から45度くらいで燗をすると、たいていおいしくなるが、50度を超してくると甘みが薄れたり、アルコールがピリピリしてきたりするものも多い。この神招は、それがほとんどない。
飲んでいるうちに徐々に温度が下がってきて益々おいしくなる。
50度で飲んでも、40度で飲んでもおいしい。 辛口の部類だろうが旨みも素晴らしい。 豊潤辛口とでも言いましょうか。
ブログを始めて以来、酒をじっくり味わって飲むようになった。 真澄、富久長、宝剣、大七、賀茂鶴 などが熱燗にして特においしかった銘柄だが、この神招の旨さは、それらの横綱銘柄を凌駕する絶品の味わいだ。
正に熱燗になるために生まれてきたような酒だ。
最後の一滴まで、それこそぐい飲みをねぶるように飲み干した。
いやぁー おいしかった。
神招の余韻が醒めぬうちに、次なる酒を注文する。 「比婆美人 純米(広島県庄原市 比婆美人酒造)」にした。 もちろん熱燗です。 これまたおいしい酒だ。 やや辛口で神招よりも淡麗な味わい。 酸味はこちらのほうが若干強め。

この日の肴は 牛スジ煮込み豆腐、さつま揚げ。 日本酒を飲み始めてからは、「だし」という山形の郷土料理を大将が出してくれた。 長芋、キュウリ、なす、を小さく刻んだものにメカブと出汁を混ぜたもの。 これが熱燗に合う。

ついでに牛スジを煮込んでいる鍋でじっくり味を滲みこませた煮玉子ももらった。 これが旨いの何の。

いやぁー おいしかった。ごちそうさま。
最後に大将が自衛隊の人からお土産でもらったという激辛ラー油のラベルが面白かったのでパシャリ。
酒とは関係ないが、これはメチャクチャ辛かった。激辛好きの方にはお勧めです。

帰り道の夜桜。

もうそろそろ花見の時期ですね。
呉市中通にある居酒屋「里の家」に久々に訪問。
大将が広島県内のおいしい地酒のコレクターのような人で、日頃目にすることもない小さな蔵の活きのいい酒を楽しませてもらえる。

ビールを2杯飲んだ後で大将一押しの「旭鳳 純米(広島市安佐北区可部 旭鳳酒造)」を冷酒で飲む。 優しい味。 吟醸に近い風味がある。 有名な杜氏が造っているらしく、大将がその方のことを熱っぽく語ってくれたのですが、申し訳ないが名前は失念しました。

次に熱燗が飲みたい旨を申し出ると、「熱燗に向いているのはたくさんありますが、・・・」と言いながら取り出してきたのが、「神招 純米(広島県神石高原町 田中酒造)」。 初めて目にする銘柄だ。
これを熱々の燗で出してきた。 一口飲んだら、これが熱いの何の。 久々にこんな熱い熱燗を飲んだ。 日頃自宅で酒かん計を使って、細かく温度を確認しながら飲んでいるので、今では口に含んだ瞬間に大体の温度が解る。 間違いなく70度以上だ。

驚いたのはこれだけ高温なのに酒がしっかり旨いことだ。 こんな酒はあまり飲んだ記憶がない。
純米酒は40度から45度くらいで燗をすると、たいていおいしくなるが、50度を超してくると甘みが薄れたり、アルコールがピリピリしてきたりするものも多い。この神招は、それがほとんどない。
飲んでいるうちに徐々に温度が下がってきて益々おいしくなる。
50度で飲んでも、40度で飲んでもおいしい。 辛口の部類だろうが旨みも素晴らしい。 豊潤辛口とでも言いましょうか。
ブログを始めて以来、酒をじっくり味わって飲むようになった。 真澄、富久長、宝剣、大七、賀茂鶴 などが熱燗にして特においしかった銘柄だが、この神招の旨さは、それらの横綱銘柄を凌駕する絶品の味わいだ。
正に熱燗になるために生まれてきたような酒だ。
最後の一滴まで、それこそぐい飲みをねぶるように飲み干した。
いやぁー おいしかった。
神招の余韻が醒めぬうちに、次なる酒を注文する。 「比婆美人 純米(広島県庄原市 比婆美人酒造)」にした。 もちろん熱燗です。 これまたおいしい酒だ。 やや辛口で神招よりも淡麗な味わい。 酸味はこちらのほうが若干強め。

この日の肴は 牛スジ煮込み豆腐、さつま揚げ。 日本酒を飲み始めてからは、「だし」という山形の郷土料理を大将が出してくれた。 長芋、キュウリ、なす、を小さく刻んだものにメカブと出汁を混ぜたもの。 これが熱燗に合う。

ついでに牛スジを煮込んでいる鍋でじっくり味を滲みこませた煮玉子ももらった。 これが旨いの何の。

いやぁー おいしかった。ごちそうさま。
最後に大将が自衛隊の人からお土産でもらったという激辛ラー油のラベルが面白かったのでパシャリ。
酒とは関係ないが、これはメチャクチャ辛かった。激辛好きの方にはお勧めです。


帰り道の夜桜。

もうそろそろ花見の時期ですね。



かしまにて華鳩吟醸生酒を飲む
4月3日火曜日の話
大阪より来客があり、呉市中通の居酒屋「かしま」へ。
私はあまり利用しませんが、呉市内でも指折りの人気店です。
まず生ビールを2杯、瓶ビールを1本明けてから日本酒へ。
冷酒は6種類くらいある中から「華鳩吟醸生酒」を選んだ。300ml瓶を1本注文。
やや甘口。吟香はもちろんあるが、それほど邪魔にはならない。

それまでは 若鶏のピリ辛ポン酢、ほたてバター焼き、蒸し鶏のバンバンジー、ささ身明太焼きなど いかにもビールに合いそうなつまみばかり食べていたのですが、ここは一つ日本酒に合いそうな肴ということで、鯨の刺身と鮟肝を注文。
肉厚の刺身。 鯨は好きなので時々食べますが、竜田揚げとか鯨ベーコンなど。
刺身は久しぶり。 鯨の刺身は冷酒に合うなあ。

軽く1本明けて熱燗へ移行。 メニューを見ると、相変わらず銘柄が書いてない。(笑)
「熱燗あります。辛口、甘口」 とだけ書いてある。 甘口を頼んで銘柄を確認したら、「甘口のほうは華鳩になります。」とのこと。
本醸造か普通酒だろうが、いずれにせよお銚子で出てくるわけだから中身は聞かなければ解らない。 熱燗はどこでもこういう扱いをされているんだよなぁ。(笑)

さて、その華鳩の熱燗。 久々の正統派の甘口。 ハクボタン風とでも言いましょうか。
生のショウガをたっぷり溶いた刺身醤油に鯨を浸して口に運ぶ。
鯨や醤油の味わいの残るその口に熱燗を流し込む。 至福の瞬間である。
鮟肝と日本酒の相性については今さら述べるまでもない。

うまい。 としか言いようがありません。
大阪より来客があり、呉市中通の居酒屋「かしま」へ。
私はあまり利用しませんが、呉市内でも指折りの人気店です。
まず生ビールを2杯、瓶ビールを1本明けてから日本酒へ。
冷酒は6種類くらいある中から「華鳩吟醸生酒」を選んだ。300ml瓶を1本注文。
やや甘口。吟香はもちろんあるが、それほど邪魔にはならない。

それまでは 若鶏のピリ辛ポン酢、ほたてバター焼き、蒸し鶏のバンバンジー、ささ身明太焼きなど いかにもビールに合いそうなつまみばかり食べていたのですが、ここは一つ日本酒に合いそうな肴ということで、鯨の刺身と鮟肝を注文。
肉厚の刺身。 鯨は好きなので時々食べますが、竜田揚げとか鯨ベーコンなど。
刺身は久しぶり。 鯨の刺身は冷酒に合うなあ。

軽く1本明けて熱燗へ移行。 メニューを見ると、相変わらず銘柄が書いてない。(笑)
「熱燗あります。辛口、甘口」 とだけ書いてある。 甘口を頼んで銘柄を確認したら、「甘口のほうは華鳩になります。」とのこと。
本醸造か普通酒だろうが、いずれにせよお銚子で出てくるわけだから中身は聞かなければ解らない。 熱燗はどこでもこういう扱いをされているんだよなぁ。(笑)

さて、その華鳩の熱燗。 久々の正統派の甘口。 ハクボタン風とでも言いましょうか。
生のショウガをたっぷり溶いた刺身醤油に鯨を浸して口に運ぶ。
鯨や醤油の味わいの残るその口に熱燗を流し込む。 至福の瞬間である。
鮟肝と日本酒の相性については今さら述べるまでもない。

うまい。 としか言いようがありません。



自宅にて菊正宗樽酒本醸造を飲む
4月1日の話
菊正宗は私の好きな銘柄の一つ。
スーパーの酒コーナーを見ている時、菊正宗の300ml瓶入りの樽酒が目に入った。
瓶に掛けられた帯には
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2011 最高金賞受賞」と書いてある。
別にそのキャッチコピーに釣られたわけではないし、樽酒も特に好きなわけではないが、菊正を久々に飲んでみたいなあと思っていたところだった。
たまたまこれしか置いていなかった。
夕食時にさっそく冷酒でまず一杯。
杉の香りがしっかり残っている。
商工会議所やホテルの新年会で振る舞われている鏡開きされた直後の樽酒ほどは杉の香りはきつくない。

杉の香りがアクセントになっているせいか、辛口だが淡麗という感じでもない。
甘みも十分感じられる。
菊正宗のホームページだと常温または冷酒がお勧めと書いてあったが、もちろん熱燗にする。
熱燗にすると菊正らしい味になる。繊細というより野太い酒。ズンッという感じになる。
個人的な感想としては、冷酒をワイングラスで飲むより熱燗にしてぐい飲みで飲んだほうがおいしいと思いましたが、いかがなもんでしょう。
菊正宗は私の好きな銘柄の一つ。
スーパーの酒コーナーを見ている時、菊正宗の300ml瓶入りの樽酒が目に入った。
瓶に掛けられた帯には
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2011 最高金賞受賞」と書いてある。
別にそのキャッチコピーに釣られたわけではないし、樽酒も特に好きなわけではないが、菊正を久々に飲んでみたいなあと思っていたところだった。
たまたまこれしか置いていなかった。
夕食時にさっそく冷酒でまず一杯。
杉の香りがしっかり残っている。
商工会議所やホテルの新年会で振る舞われている鏡開きされた直後の樽酒ほどは杉の香りはきつくない。

杉の香りがアクセントになっているせいか、辛口だが淡麗という感じでもない。
甘みも十分感じられる。
菊正宗のホームページだと常温または冷酒がお勧めと書いてあったが、もちろん熱燗にする。
熱燗にすると菊正らしい味になる。繊細というより野太い酒。ズンッという感じになる。
個人的な感想としては、冷酒をワイングラスで飲むより熱燗にしてぐい飲みで飲んだほうがおいしいと思いましたが、いかがなもんでしょう。



自宅にて宝剣純米を飲む
3月24日の話
宝剣酒造。 雨後の月と同じく呉市仁方町にある酒造メーカーで、ここ数年うまい酒を造ると全国的にも人気が高い。
広島市内の居酒屋でも2,3年前から目にする機会が増えてきた。
さほど有名ではないが、うまい酒を造る片田舎の蔵というイメージでしたが、最近の人気は地元の人間としても嬉しいかぎり。

宝剣酒造本社

さて、この度その宝剣酒造が究極の地産、地元の中の地元 呉市内で酒造好適米八反錦を作り、全て呉の原料を使って純米酒を作ろうと、田植えから初めて3年の歳月をかけて、ようやく造りあげた労作がある。「未希米」と名付けられた酒は、未来、希望という思いが込められているという。まさに渾身の一本だ。
数に限りがあるその純米酒を、どういう訳か義理の妹が購入して私にプレゼントしてくれた。私が酒好きなのを知っていてくれたのだろう。誠にありがたい心配り。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。

その宝剣「未希米」を冷でまず一杯。
ちなみに私が「冷」と言っている時は常温のこと。冬場は寒い廊下に置いてある。
10度以下ぐらいだと思う。
なめらかな口当たり。中辛口でほど良い甘み。じんわり広がる純米らしい旨み。
バランスの良さが秀逸だね。
次にもちろん熱燗。 あえて45度にした。いわゆる上燗ですね。
これが実にいい。まろやかさが加わる。次に50度で湯煎して飲んだ。
明らかに甘みが薄らいだ。続けて飲むからよく解る。
調子にのって60度越えまでもっていった。
これでもまだ酒質に乱れはない。ただ明らかに辛口の酒になった。温度を上げていくとアルコールが揮発しはじめ前面に出てくるので、どうしても辛口の酒になるのは仕方がない。
ここまで温度を上げても日頃居酒屋で出てくる熱燗のほうが温度が高いことに気が付く。 いつも店で飲むのは70度前後くらいなのだろう。
ちなみに飲んでいるうちに自然と温度が下がってくるが、結局40度くらいまで落とした頃が一番旨みを感じた。
ただしこれはあくまでも酒の味に関しての話。 熱燗の場合、唇に触れた時の温度、舌に絡みつく時の温度、喉越しの時の温度、などにも好みがある。
冬場だと40度くらいのぬる燗だと体が温まる感じはあまりない。
寒風吹き荒ぶ中、凍える手を擦りながら、やや熱めの燗酒をやるのは筆舌に尽くせぬ味わいがある。
酒の好みは十人十色。 味わい方も人それぞれと言われる所以でしょう。
今夜はスーパーで買ったアジの刺身でやりました。

宝剣酒造。 雨後の月と同じく呉市仁方町にある酒造メーカーで、ここ数年うまい酒を造ると全国的にも人気が高い。
広島市内の居酒屋でも2,3年前から目にする機会が増えてきた。
さほど有名ではないが、うまい酒を造る片田舎の蔵というイメージでしたが、最近の人気は地元の人間としても嬉しいかぎり。

宝剣酒造本社

さて、この度その宝剣酒造が究極の地産、地元の中の地元 呉市内で酒造好適米八反錦を作り、全て呉の原料を使って純米酒を作ろうと、田植えから初めて3年の歳月をかけて、ようやく造りあげた労作がある。「未希米」と名付けられた酒は、未来、希望という思いが込められているという。まさに渾身の一本だ。
数に限りがあるその純米酒を、どういう訳か義理の妹が購入して私にプレゼントしてくれた。私が酒好きなのを知っていてくれたのだろう。誠にありがたい心配り。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。

その宝剣「未希米」を冷でまず一杯。
ちなみに私が「冷」と言っている時は常温のこと。冬場は寒い廊下に置いてある。
10度以下ぐらいだと思う。
なめらかな口当たり。中辛口でほど良い甘み。じんわり広がる純米らしい旨み。
バランスの良さが秀逸だね。
次にもちろん熱燗。 あえて45度にした。いわゆる上燗ですね。
これが実にいい。まろやかさが加わる。次に50度で湯煎して飲んだ。
明らかに甘みが薄らいだ。続けて飲むからよく解る。
調子にのって60度越えまでもっていった。
これでもまだ酒質に乱れはない。ただ明らかに辛口の酒になった。温度を上げていくとアルコールが揮発しはじめ前面に出てくるので、どうしても辛口の酒になるのは仕方がない。
ここまで温度を上げても日頃居酒屋で出てくる熱燗のほうが温度が高いことに気が付く。 いつも店で飲むのは70度前後くらいなのだろう。
ちなみに飲んでいるうちに自然と温度が下がってくるが、結局40度くらいまで落とした頃が一番旨みを感じた。
ただしこれはあくまでも酒の味に関しての話。 熱燗の場合、唇に触れた時の温度、舌に絡みつく時の温度、喉越しの時の温度、などにも好みがある。
冬場だと40度くらいのぬる燗だと体が温まる感じはあまりない。
寒風吹き荒ぶ中、凍える手を擦りながら、やや熱めの燗酒をやるのは筆舌に尽くせぬ味わいがある。
酒の好みは十人十色。 味わい方も人それぞれと言われる所以でしょう。
今夜はスーパーで買ったアジの刺身でやりました。



