権兵衛にて本州一を飲む
12月14日土曜日の話
広島の老舗おでん屋権兵衛。
今から89年前の大正13年(1924年)フランスのシャモニーで第1回冬季オリンピックが開催され、日本では阪神甲子園球場が完成したこの年、権兵衛は開業した。
現存するおでん屋としては国内で5本の指に入る古さというから広島というよりも国家レベルの老舗である。
博多の名店「安兵衛」ですら52年であるからその歴史が伺い知れるというものである。

この大正13年という年は女優の当たり年で、越路吹雪、淡島千景、京マチ子、高峰秀子、乙羽信子、赤木春恵など一世を風靡した大女優達の生誕の年でもある。
ちなみに女優ではないが先日惜しまれつつ亡くなった文豪山崎豊子も大正13年生まれである。
さて、爆弾低気圧の影響で日本列島が今年一番の寒気に包まれたこの日、こんな日に美味しいおでんをツツキながら熱燗でも引っかけたら最高だろうなあ。 などと考えたら昼間っから涎が止まらず、無理やり広島市内に商用を作って、流川に乗り込んで来たわけである。
仕事は電話でも済む内容でしたが(笑)、まあ年末の挨拶ということで(^^;)
取引先のオッサンとはさっさと別れて開店直後の権兵衛に直行。
誰一人客のいないカウンターのど真ん中に偉そうな顔をしてドカッと座ります。 20年振りくらいですかな。
まず瓶ビールで喉を潤し出汁おでんの方からダイコンとスネ肉をもらう。

実は権兵衛にはおでんの鍋がカウンターの左右に一つずつある。
向かって右側にあるのが超薄味で有名な出汁のおでん。
向かって左側にあるのが、広島県名産の府中味噌を使った権兵衛名物の味噌おでんだ。
ダイコンとスネ肉は出汁おでんのほうにある。 20年前には味が薄すぎて美味しいとは思わなかったが、今食べて見ると美味しい。

出汁は飲んでも薄く感じる程で、おでんの出汁としてはかなり薄めだがイリコの風味がしっかりと残り、何とも味わい深い。
ビールは赤星でそこそこウマいが、早く空にして熱燗を飲みたい(笑)
ただ多くのお客さんが薄味と感じるのも事実だろう。 店主もその辺は先刻承知で、何も言っていないのに、味噌おでんの鍋からお玉でサッと味噌をすくい、「お好みで浸けて食べて見て下さい。」と自慢の味噌ダレを皿に張って供してくれる。

ダイコンを浸けて食べてみる。 これが実に美味しい。 こりゃ本当に美味しい味噌だ。
麹歩合(大豆に対する米や麦の比率)の高い甘めの味付けが特徴の府中味噌だが、甘いけれども甘過ぎず、たっぷり振られたゴマの香りも香ばしい。 このまま料理を頼まず、この味噌を舐めながら酒が飲める。
それにしても開店直後は私一人だったのに、あっという間に20人座れるカウンターが満席に。
2階の座敷にも予約客がどんどん押しかける。 このクソ寒いのに皆考えることは同じらしい(笑)
二皿目はいわしのつみれと銀杏。 銀杏は一串8個と博多のおでんの7個を上回る日本レコード。

こりゃあもう熱燗しかない。
権兵衛の熱燗は本州一の一本勝負である。 大正5年創業の広島市安芸区にある梅田酒造場謹製の辛口だ。
このシンプルな味がおでんにはよく合う。

酒樽を模したグイ飲みがシブイね。
それにしてもおでんのネタは常時80種類というから大したもんだ。
三皿目には味噌おでんから、牡蠣、たまひも、豚の耳をもらう。
牡蠣以外はおでんの具としては珍しいが種類豊富な権兵衛ならではのレパートリーとも言える。
もっとも味噌でグツグツ煮られてあるのは豚の耳だけで、牡蠣とたまひもは出汁のおでんから取り出して味噌を上からたっぷりかけて出される。

ちなみにカキは硬くならないように注文を受けてから鍋に投入される。
豚の耳はバーナーで炙って焦げ目を付けて出される。

どれも美味しいなあ。 玉ひもは玉だけ串に刺して5個。
ウウッ 酒が止まらんともう一杯。
それにしてもほとんどのお客さんが男女の同伴だ。 男一人で飲んでるのは私一人か(^^;)
この客層は大阪の「あじ菜」に似てるかな。
隣の女性が冷酒を注文する。 その頼み方が妙にエロイ。
「そろっとした冷酒をちょうだい・・」だって(^^;)
壇蜜みたいだ(^^;)
最後に茶飯セットを注文。 これまた薄味だが妙に美味しく思えてきたなあ。

茶飯におでんの汁をかけて茶漬けにするのが名物だが、しじみ入りの赤出汁が付いていたので味噌汁かけご飯に。

中瓶1本、熱燗2合、おでん7種類、茶飯セットで4200円也。
このクオリティーなら十分満足できますね。

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広島の老舗おでん屋権兵衛。
今から89年前の大正13年(1924年)フランスのシャモニーで第1回冬季オリンピックが開催され、日本では阪神甲子園球場が完成したこの年、権兵衛は開業した。
現存するおでん屋としては国内で5本の指に入る古さというから広島というよりも国家レベルの老舗である。
博多の名店「安兵衛」ですら52年であるからその歴史が伺い知れるというものである。

この大正13年という年は女優の当たり年で、越路吹雪、淡島千景、京マチ子、高峰秀子、乙羽信子、赤木春恵など一世を風靡した大女優達の生誕の年でもある。
ちなみに女優ではないが先日惜しまれつつ亡くなった文豪山崎豊子も大正13年生まれである。
さて、爆弾低気圧の影響で日本列島が今年一番の寒気に包まれたこの日、こんな日に美味しいおでんをツツキながら熱燗でも引っかけたら最高だろうなあ。 などと考えたら昼間っから涎が止まらず、無理やり広島市内に商用を作って、流川に乗り込んで来たわけである。
仕事は電話でも済む内容でしたが(笑)、まあ年末の挨拶ということで(^^;)
取引先のオッサンとはさっさと別れて開店直後の権兵衛に直行。
誰一人客のいないカウンターのど真ん中に偉そうな顔をしてドカッと座ります。 20年振りくらいですかな。
まず瓶ビールで喉を潤し出汁おでんの方からダイコンとスネ肉をもらう。

実は権兵衛にはおでんの鍋がカウンターの左右に一つずつある。
向かって右側にあるのが超薄味で有名な出汁のおでん。
向かって左側にあるのが、広島県名産の府中味噌を使った権兵衛名物の味噌おでんだ。
ダイコンとスネ肉は出汁おでんのほうにある。 20年前には味が薄すぎて美味しいとは思わなかったが、今食べて見ると美味しい。

出汁は飲んでも薄く感じる程で、おでんの出汁としてはかなり薄めだがイリコの風味がしっかりと残り、何とも味わい深い。
ビールは赤星でそこそこウマいが、早く空にして熱燗を飲みたい(笑)
ただ多くのお客さんが薄味と感じるのも事実だろう。 店主もその辺は先刻承知で、何も言っていないのに、味噌おでんの鍋からお玉でサッと味噌をすくい、「お好みで浸けて食べて見て下さい。」と自慢の味噌ダレを皿に張って供してくれる。

ダイコンを浸けて食べてみる。 これが実に美味しい。 こりゃ本当に美味しい味噌だ。
麹歩合(大豆に対する米や麦の比率)の高い甘めの味付けが特徴の府中味噌だが、甘いけれども甘過ぎず、たっぷり振られたゴマの香りも香ばしい。 このまま料理を頼まず、この味噌を舐めながら酒が飲める。
それにしても開店直後は私一人だったのに、あっという間に20人座れるカウンターが満席に。
2階の座敷にも予約客がどんどん押しかける。 このクソ寒いのに皆考えることは同じらしい(笑)
二皿目はいわしのつみれと銀杏。 銀杏は一串8個と博多のおでんの7個を上回る日本レコード。

こりゃあもう熱燗しかない。
権兵衛の熱燗は本州一の一本勝負である。 大正5年創業の広島市安芸区にある梅田酒造場謹製の辛口だ。
このシンプルな味がおでんにはよく合う。

酒樽を模したグイ飲みがシブイね。
それにしてもおでんのネタは常時80種類というから大したもんだ。
三皿目には味噌おでんから、牡蠣、たまひも、豚の耳をもらう。
牡蠣以外はおでんの具としては珍しいが種類豊富な権兵衛ならではのレパートリーとも言える。
もっとも味噌でグツグツ煮られてあるのは豚の耳だけで、牡蠣とたまひもは出汁のおでんから取り出して味噌を上からたっぷりかけて出される。

ちなみにカキは硬くならないように注文を受けてから鍋に投入される。
豚の耳はバーナーで炙って焦げ目を付けて出される。

どれも美味しいなあ。 玉ひもは玉だけ串に刺して5個。
ウウッ 酒が止まらんともう一杯。
それにしてもほとんどのお客さんが男女の同伴だ。 男一人で飲んでるのは私一人か(^^;)
この客層は大阪の「あじ菜」に似てるかな。
隣の女性が冷酒を注文する。 その頼み方が妙にエロイ。
「そろっとした冷酒をちょうだい・・」だって(^^;)
壇蜜みたいだ(^^;)
最後に茶飯セットを注文。 これまた薄味だが妙に美味しく思えてきたなあ。

茶飯におでんの汁をかけて茶漬けにするのが名物だが、しじみ入りの赤出汁が付いていたので味噌汁かけご飯に。

中瓶1本、熱燗2合、おでん7種類、茶飯セットで4200円也。
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